
こんにちは、CCCMKホールディングスAIエンジニアの三浦です。
アメリカのサンクスギビングデーという行事を知りました。友達や家族とお互い感謝の気持ちを伝えあう日、とのことです。 誰かを感謝するための祝日はいくつかありますが、お互いが感謝の気持ちを伝えあう日ってなかなかないのでいいな、と思いました。
はじめに
先週Microsoftが毎年開催している技術者向けのカンファレンスMicrosoft Igniteが開催されました。
会場はサンフランシスコのMoscone Centerでした。snowflake, databricksのSummitが開催されたのと同じ場所ですね。私は今年、databricksのSummitに現地参加したので今頃きっと盛り上がってるんだろうなぁとちょっと懐かしい気持ちになりました。
セッションの様子は動画で配信されていたので、まず全体像をつかむためOpening Keynoteセッションを見てみました。
2時間くらいあるのですが、内容はほぼ"AI"といって過言ではないものとなっています。経営、分析、セールス、開発、セキュリティなど、社内のあらゆる業務に携わるメンバーが様々な形でAIを利用しビジネスを加速していく世界が紹介されていました。架空のスポーツアパレル企業"Zava"での具体的なユースケースを想定したデモはところどころコミカルでびっくりさせる演出もあって面白かったです。
Microsoftの"Work Trend Index Annual Report"というレポートには"Frontier Firm"という新しい組織の在り方が提唱されているのですが、その特徴として全ての従業員がAI Agentを管理する"Agent Boss"になることが挙げられています。今回のKeynoteはまさにその世界を実現するための具体的な技術トピックが語られたものだと感じました。
Microsoft 365 CopilotとMicrosoft Foundry
KeynoteではMicrosoft 365 Copilot(M365 Copilot)とMicrosoft Foundryというサービスが登場します。私はAIエンジニアを担当しているため、M365 Copilotとどのように付き合っていったらいいんだろう、と考えることが時々あります。私自身もM365 Copilotで社内ドキュメントを参照させたりするのですが、よりピンポイントで精度を高める必要があるときなどは自前でAgentシステムを組んで対応することが多いです。ただ、自前で作れば作るほど色々なAI Agentがあちこちに散在してしまうなどの課題も感じています。
今回のKeynoteでは、ビジネスユーザーがM365 Copilotを通じて様々なAI Agentを利用する様子が紹介されています。そしてその中には企業独自のカスタムAI Agentも含まれています。そしてこのカスタムAI Agentが作られる場所が"Microsoft Foundry"です。Microsoft Foundryは"AIとAgentの工場"であると紹介されていました。
つまりAIエンジニアを含む開発者がMicrosoft Foundryで独自のAIやAgentを構築し、ビジネスユーザーがM365 Copilotで他のAgentと合わせてカスタムAgentを利用していく。おそらくそんな使い分けになっていくんじゃないかとKeynoteを見ていて感じました。
Microsoft Foundry
Microsoft FoundryはAIとAgentを作るための工場のようなサービスです。Microsoft Foundryは以下のような技術で構成されています。
Models
ベンダーの壁を越えた様々な生成AIモデルがFoundry Modelsとしてすぐに利用できるようになっています。その数は11,000以上あるそうです。また、Anthropic社のClaude(Claude Sonnet 4.5, Claude Opus 4.1, Claude Haiku 4.5)も含まれており、この点はとても大々的に強調されていました。また、Model Routerという特別なFoundry Modelが存在し、これを選ぶとタスクに応じて都度最適なModelをMicrosoft Foundry側が選択してくれるようです。Agent Service
Microsoft FoundryではAgentの構築からM365 CopilotやTeamsへの公開まで行うことが出来るだけでなく、複数のAgentを組み合わせたWorkflowをノーコードで実装することが出来ます。個人的にここがいいな、と思ったのが、Agentの構築はLangGraphやLangChainといった様々なフレームワークで実現出来るようになっている、という点です。これによってこれまで作ってきたAgentをMicrosoft Foundryに組み込んでいくことが出来そうです。IQ
Agentに与えるKnowledge Baseです。Azure AI Searchを使ってSharepointなどの様々なデータソースからKnowledge Baseを作ることが出来るようです。Tool
Agentに与えることが出来るToolです。あらかじめ膨大な量のToolが用意されていてそれらはMCPによってすぐにAgentで利用できる状態になっています。Machine Learning
Modelを自社独自のデータを使ってFineTuningすることが出来ます。
これらをControl Planeを通じてアクセスすることが出来ます。
さらにAgentを本番運用する際にはAgentへの攻撃、パフォーマンス監視、セキュリティも考慮する必要があります。これらの機能もMicrosoft Foundryにあらかじめ統合されています。
Controls
Agentを悪意のあるプロンプトから守るために事前に検知して弾くようなGuardrailを作ることが出来ます。Observability
デプロイ前とデプロイ後のAgentのパフォーマンスを監視することが出来ます。たとえば質問に対して適切なToolを選択しているかなどをLLM-as-a-judgeによって定期的にスコア化し確認することが出来ます。デプロイ前には評価用のデータセットを自動的に構築しあらかじめ評価する、といったことも可能なようです。Security
Agentにはユーザーやデバイスと同様にEntra IDを付与して管理することが出来ます。Microsoft Defenderによってデバイスと同じようにセキュリティの脅威を監視することが可能です。
そして全てのAgentに関するこれらのステータスをダッシュボードで一元管理することが出来るそうです。
ここまであらゆる観点での機能が盛り込まれているのは本当にすごいな、と思いました。Microsoft Foundryを使えば社内のあらゆるMicrosoft製品とも連携しやすそうですし、真剣に活用に向けて取り組んでいった方が良さそうに感じました。
ということで使ってみました。
これだけインパクトのある情報を見せられたら「自分でも触ってみたい!」と思い、さっそく少し触ってみました。
Microsoft FoundryのAgentを作る画面はこのようになっています。自分が作ったAgentはこちらに一覧で表示されています。

Modelsからはアナウンスにあったように11,000を超えるModelを選んでデプロイすることが可能です。

このようにMicrosoft FoundryのControl画面からAgent構築に必要な様々なリソースにアクセスが出来るようになっています。
さてAgentの構築はとても簡単で、以下のように使用するModel, Instruction, 使用するToolやKnowledgeを設定してしまえばすぐに動くものが出来てしまいました。

それだけでなく、Microsoft Foundryでは複数のAgentを連携させたWorkflowを作ることが出来ます。こちらは以下のようにノードをつなげていくような形で定義することが可能です。少しDifyを使っているような感覚になりました。

今回は表面を触っただけですが、Microsoft Foundry、かなり面白そうです!
まとめ
ということで、今回はMicrosoft IgniteのKeynoteセッションを見たことをきっかけにAIとAgentの工場となるMicrosoft Foundryについて調べ、実際に少し触ってみた話をまとめてみました。AI Agent開発において普段感じていた課題が全てMicrosoft Foundryで考慮されていてこれはもっと調べて使っていきたいな、と思いました。また色々と調べてこちらのブログでご紹介させていただきます!