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サンフランシスコで開催されたDatabricksのイベントDATA+AI SUMMITに参加してきました!

こんにちは、CCCMKホールディングスTECH LABの三浦です。

7月になり、2023年も気が付けばこれで半分ですね。今年はChatGPTをはじめとする生成AIが本当にいろんなところで話題の中心になっていると思います。今年の末にはさらにどんなアップデートがあるのか、今からとても気になっています。

さて6月の末の週、アメリカカリフォルニア州のサンフランシスコで開催された、Databricks主催のDATA+AI SUMMITというイベントに現地参加してきました!とても盛りだくさんなイベントで、まだ完全に消化しきれていないのですが、今回は特に今自分にとって記憶に残っていることなどを中心に、このイベントについてお話させて頂ければと思います。

どんなイベント?

DATA+AI SUMMITはDatabricksが主催しているDATAやAIに関する最新のトピックについて、多数のセッションが行われるイベントです。アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコにある、Moscone Centerで開催されました。

会場のMoscone Centerです。

イベントでは業界を代表する方々の講演やDatabricksの新しいリリース発表などが行われるキーノートセッション、それから各会議室で開催された約40分のブレイクアウトセッション、それに様々なトレーニングなどが開かれていました。また展示スペースでは様々な企業がDatabricksと関連したサービスを紹介していました。

イベントは6/26(月)~6/29(木)まで開催され、私は6/27(火)からイベントに参加させて頂きました。キーノートセッションは28日と29日の午前中に開催されたのですが、世界中からおよそ12,000人の方が現地参加されたそうです。

内容

ここからは今特に頭に残っていることについて書いていこうと思います。(新しい技術ネタについてはこれから手を動かしながら理解していこうと思っています。それらはまた別の記事に残していくつもりです。)

キーノートセッションの会場の様子。

Generation AI

今年のDATA+AI SUMMITのテーマは"Generation AI"でした。Databricksの共同創設者兼 CEOのAli Ghodsi氏がキーノートセッションで"Innovations don't become technology revolutions until they're democratized"、つまり新しい技術はそれが誰もが使えるものにならない限り変革にはならない、というメッセージを話されていました。

たとえばコンピュータは一部の技術者にはだいぶ前から使われていたけどパソコンとして誰もが利用できるようになって変革を生み出し、インターネットも技術としては大分前から存在していたけどインターネットブラウザが開発されて誰もが利用できるようになってから変革を生み出しました。

実はAI(特にDeep Learning)でも、まさに同じことが起ころうとしています。以前からAIエンジニアや研究者はAIの技術をいろんな用途で使っていました。でもそれを明示的に使っているのは一部の人たちだけでした。ところが画像生成AIやChatGPTなどによって、これまでAIを使ったことがない人たちが直接AIを利用できるようになりました。AIの民主化が今起ころうとしています。

たしかに改めて考えてみると、誰もがAIをアシスタントのように活用しようとしている今の状況ってすごいことだな、と思います。パソコンやインターネットブラウザによって様々な新しい価値が生み出されたように、AIによって新しい価値が今後生み出されていくのだと思います。たとえばDatabricksの新しいリリースに"Lakehouse IQ"があります。DatabricksのLakehouse内のデータやNotebook, ドキュメントなどを自然言語でアクセス出来る機能で、AIの活用によってデータに誰もがアクセス出来るという、新しい価値につながっていると感じました。

www.databricks.com

一方でこれらの技術によって生まれた新しい問題もたくさんあります。hallucinationや新しいタイプのサイバー攻撃(たとえばプロンプトインジェクションなど)もまた、今後向き合っていかなければいけない問題です。AIの構築や管理といった観点ではDatabricksの新しいリリース"Lakehouse AI"が活用出来そうです。

www.databricks.com

Large Language Models(LLMs)に対する考え

今回私がDATA+AI SUMMITに参加した大きな目的が、LLMsに関連するトピックに触れることでした。まずLLMsの活用という観点でいうと、このブログでも何度か触れたことがあるLangChainによって独自の大量データをLLMsに参照させる、というアイデアが主流なように感じました。先に触れたLakehouse AIでも、"Vector Search"という独自のテキストデータを埋め込み表現化し、管理および検索できる機能が提供されるようです。

LLMsはChatGPTのようにサービスとして利用し、モデルの所有権はサービスを提供する企業が持つProprietary LLMsと、DatabricksのDollyやMosaicMLのMPTのように自分たちでカスタマイズ可能な"Open-source LLMs"に分けることが出来ます。キーノートセッションでこの2つのLLMsについて言及されているスピーカーの方もいらっしゃいました。Open-source LLMsの強みは比較的軽量でありながら、特定のタスクにおいてはProprietary LLMsよりも高い精度を出すことが可能な点です。特定のタスクに特化したOpen-source LLMsを複数使いながら、汎用的な用途でProprietary LLMsを使う。そういった使い分けが今後主流になるのでは、と感じました。

LLMsに関するキーノートセッションでのリリースとしてインパクトがあったのが、DatabricksがMPTを開発したMosaicMLを買収したというトピックでした。

www.databricks.com

サンフランシスコの様子

ここからは技術的な内容ではなく、初めて訪れたサンフランシスコの様子をお伝えしたいと思います。

気候

日本に比べてとても寒かったです。あと割と曇っている日が多かったように感じます。南カリフォルニアの海沿いではJune Gloomという気象現象があるそうで、今の時期は曇り空で肌寒い日が多いみたいです。もしかしたらその影響なのかな、思いました。

とても天気のいい日にも出会えました。

外食

何回か外食もしました。事前にサンフランシスコは物価が高い、と聞いていたのですが日本に比べるとやはり高いように感じました。あとチップの文化があるので、外食の際もチップを支払いました。チップというと、テーブルにお金を置いていくイメージがあったのですが、キャッシュレスが浸透しているサンフランシスコではカードで支払う際にタッチパネルでチップの額を選んで支払うような仕組みが多かったです。

英語の意味が分からず勢いで頼んだらすごくボリュームのある料理が届きました。

街の雰囲気など

サンフランシスコの街には車やバスがたくさん走っていました。それからこれも事前に話は聞いていたのですが、日本よりも知らない人と話す機会が多かったように思います。知らない人に尋ねられることもありましたし、反対に自分が何か確認したいときは受付の人などに積極的に尋ねるようにしました。割とそういうことがやりやすい環境だったように思います。

サンフランシスコで見つけた大阪への距離が記された矢印。

その他感じたこと

これはDATA+AI SUMMITで開催されたたくさんのセッションに参加して感じたことなのですが、スピーカーの方のプレゼンテーションのレベルがとても高いと思いました。キーノートセッションは日本語の同時通訳があったのですが、それ以外のセッションは全て英語だったので、正直なところその内容をすべて把握することは出来ませんでした。それでもスピーカーの伝えたいことを最後まで興味深く聞き続けることが出来ました。

どうしてなのか色々考えていたのですが、まずスピーカーの方がちゃんとオーディエンスの前に立って話していること、そしてただ発表資料を読み上げるプレゼンテーションになっていないことが理由の1つじゃないかな、と思いました。

私はついついプレゼンをする時に発表資料に伝えたいことを盛り込んでしまい、文字が多い発表資料を作ってそれを読むだけのプレゼンになってしまうことがあります。でもそれならその資料を共有すれば済む話ですし、わざわざオーディエンスに時間を取って来て頂く以上、あくまで発表資料は補足で、資料では伝わらない生の声で伝えたいことを伝えるべきなのだと感じました。

今度自分がプレゼンをする時は、ぜひ今回学んだことを活かしてみたいと思いました。

サンフランシスコの海沿いの様子。

まとめ

ということで、今回はサンフランシスコで開催されたDatabricks主催のDATA+AI SUMMITに参加してきた話をご紹介させて頂きました!色々なことを勉強し、これまでの考え方を改めるいいきっかけになり、本当にいい機会を頂けたな・・・と感じています。今度こういった機会を頂いた時のために、今よりもちゃんと英語が聞き取れて、かつ話せるようにもっとなりたいと感じました。

また、今回得た技術的な知見については今後のブログの記事でご紹介していければと思います!