こんにちには、技術開発ユニットの三浦です。
梅雨入りし、雨の季節がやってきました。雨が降るとちょっと憂鬱な気持ちになることがあります。でも「雨」をテーマにした音楽や映画もたくさんあって、雨から感じられるものがたくさんあるんだろうなぁと思います。せっかくの雨の季節なので、少しでもこの季節を楽しめるようになりたいです。
さて、これまでAIに画像を生成させる技術としてGANsを取り上げてきました。これまでにGANsによって作られた画像たちを眺めていた時、ふと「この画像で個展を開いたら面白いだろうなぁ・・・」と思いました。
もちろん実際に画廊を借りて個展を開くのはなかなか大変そうですが、3DCGを使えばなんとかなるかもしれないと考え、GANsで生成した画像を展示した画廊を、3DCGを使って作ってみました。今回はみなさまを素晴らしきGANsの世界にご招待します・・・!
GANs Gallery
シックな色合いを基調とした雰囲気の画廊に、私が選りすぐったGANsの絵を多数集めております・・・。
しばしの間、時間の流れを忘れ、AIが作り出した世界をご堪能ください。
こちらの絵の題名は、「混沌」です。
またのご来訪、お待ちしております。
使ったソフトウェア
・・・いかがでしょうか。私はやりたいことが出来て、大変満足しております。
今回この3DCGを作るために使用したソフトウェアは「blender」というオープンソースの3DCG制作用のソフトウェアです。
使用したblenderのバージョンは3.1です。結構バージョンによって機能やUIが変更されているようなので、blenderについて何かを調べる際には使用しているバージョンは意識した方が良いと思いました。
私は今年のゴールデンウィーク辺りから「blender使えるようになりたい」と思いはじめ、それから1日10分でもいいのでちょこちょことblenderを触るようにしています。今は色々な方がblenderを使った3DCG制作の解説動画を公開しているので、勉強するための材料は豊富にあるなぁと、有難く活用させていただいています。そういった動画を見ながら、見よう見まねで3DCGを作ってみて、最近ようやく自分が作りたいと思ったものをスクラッチで作ることが出来るようになってきました。とはいってもまだまだ下手で手際も悪いのですが・・・。
3DCG制作手順
今回の3DCG制作の手順をダイジェストでご紹介します。
3Dモデル
まずは作りたいもののイメージを頭に思い浮かべながら、簡単なオブジェクトで形を作っていきました。
3Dモデルを作っていると、世の中にあるモノは想像以上にきれいな比率や間隔でかたどられ、配置されているんだなと感じます。
同じオブジェクトを等間隔で配置したり、オブジェクトの表面を滑らかにする機能はblenderにあらかじめ備わっています。「モディファイア」というのですが、このモディファイアは一杯あって覚えるのが大変なので、とにかく使って身に着けていくしかないな・・・と感じています。
3Dモデルが出来たら次はマテリアルという質感を設定していきます。3Dプリンタで出力するモノを作るときはここで終了で、あとは3Dプリンタ側の出力設定に移っていきます。
マテリアル(質感)設定
オブジェクトの色や光沢具合、柄などの質感はblenderではマテリアルというデータで表現します。
絵を挿し込む額縁の表面には、これまでGANsで作成した画像の1部分をテクスチャとして指定していきました。
レンダリング設定
最後は作成した3DCGを画像として出力するためのレンダリングの設定を行います。カメラの画角をどうするか、とか、照明をどうするか、といったことを設定しました。また、レンダリングに使用するエンジンも設定します。今回は「Cycles」というエンジンを使用しました。リアルな質感を表現できるのですが、その分出力処理が重たいです。
製作時間
今回の3DCGを作るのに、大体半日くらいかかりました。もっと効率的に作業できそうなところがいくつもあるので、練習を積めばもっとサクサク作ることが出来るようになる・・・と信じています。
まとめ
ということで、今回はGANsで作ってきた画像を展示する画廊を、3DCGを使って作った話をご紹介させていただきました。最近は「メタバース」という言葉があらゆるところで注目されていて、その要素技術として「VR」も注目されています。VRの世界はまさに3DCGの世界なので、今3DCGへの関心は高まってきているように感じています。
私の業務ではデータを扱うことがメインですが、データの可視化手法の一つとしても3DCGは使えるのでは、と考えるようになりました。一般的なデータの可視化手法はグラフや表などだと思いますが、その1つに3DCGが入ってもいいんじゃないかなぁと。見た目が面白いとかインパクトがある。それもまた、データの可視化手法としてとても大事な側面の1つだと思うからです。
引き続きblenderの練習をしつつ、また作品が出来たらご紹介させて頂きます!